三毛猫ホームズの復活祭
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ポリエです。
赤川次郎著「三毛猫ホームズの復活祭」を読みました。

爽香シリーズに続き、三毛猫のシリーズも全作読んでいます。
今回オレオレ詐欺をテーマに書かれているせいか、
これまでの作品と一線を画す仕上がりになっていると思います。
表紙裏に書かれた著者の言葉が印象的でした。
オレオレ詐欺の被害者は、
お金をだまし取られたことによる絶望だけでなく、
騙されてしまったことを責められたり、
自責の念に駆られたりして自殺されることも多い。
詐欺にあった被害者当人、家族、そして加害者の家族など
その誰もが苦しんでいる様子が淡々と描かれ、
改めて、オレオレ詐欺の卑劣さに憤りを覚えました。
物語は、相変わらずの登場人物の多さでしたが、
伏線の回収は見事!
登場人物が多くなるとそれぞれに見せ場を作らなければならず
下手すると空中分解しますが、
今回差し障りなく、読み応えありました。
事件が起こっているのに全体的に明るかったり、
登場人物の人の良さや、優しさがにじみ出ているのが
赤川作品の特徴かと思いますが、
今回もまた期待にたがわず、一人一人人柄が伝わってきました。
シリーズも52弾までくると、
警察の捜査に、妹と猫が同行することはもうあえて説明されず(^∇^)
とはいえ、細かいこと気にされない方なら、
シリーズ未読でも、これだけ読んでも面白いと思われます。